Q.経営上の理由から「労災保険」と「雇用保険」をやめたいのですが可能ですか?

 原則、労働者を1人でも雇用した場合、その事業所は労災保険・雇用保険の強制適用事業所(一定の場合を除きます)とされ、“入る”とか“入らない”といった任意の保険ではありません。これが民間の保険と比べて決定的に異なる点です。

 法制度上は、1人以上の労働者を雇用したら、事業を開始した段階で、行政窓口(労働基準監督署やハローワーク)へ届出をしたか、しないかに関わらず適用事業所と判断されます。そして、この労災保険・雇用保険の届出は事業主(会社)に義務付けられています。

 このような点から、労働者を雇用していながら「労災保険・雇用保険をやめる」という考え方が存在しません。例えそれが、「経営上の理由」によるものであったり、「経費削減のためやむを得ず」といった理由であったとしても、労働者を雇用している限りは理由の如何を問わず認められないのです。

 労働者を1人でも雇用する限りは、労働保険制度への加入は経営者の最低限の義務とされておりますので、様々な理由があるとは思いますが、この点につき十分にご理解ください。